1回目は落ちた
仕事で使うわけでもないのに、趣味として英語を細々と読んだり聞いたりしていました。
その結果、「英語が少しできます」というくらいの自己評価でしたが、英検受けてみようか、と思い立ち、「2級じゃないだろう」「準1級は中途半端だしな」と考えて「1級」を受けることにしました。
「実力を発揮して、その結果合格すればいいや」、と最初は考えていました。
そして、1回目の受験は落ちました泣
2回目は、対策を考えた ― ネットの情報も役立った
しかし、全く歯が立たなかった、というわけではなかったので、ちゃんとやって再挑戦してみよう、と思ったのです。
せっかく受けるなら合格したい!と思い始めて、他の受験者、合格者はどんなことしてるんだろう?と気になり、ネットで調べてみました。
すると、けっこう濃い内容のブログとかがいくつかあって、とても参考になりました。
特に役立ったのは、英作文対策と、時間配分戦術
特に役に立ったのは、一次試験のライティング対策や、二次試験のスピーチ対策の情報でした。
一次試験のライティングのポイントは、
1)得意な分野を作ること、
2)論述パターンに慣れること、
3)定型表現を5〜8個覚えること、
4)25分以内に書き上げる練習を何度かしておくこと
5)解答の時間配分と解答順序もしっかり決めておくこと
ですね。5)は、「頭から順番に解いていくのは、戦術的に良くない」、ということです。
まず最初に、エネルギーと集中力をつかう「長文」からやっつけていく、
という戦術を知りました。
つまり、「長文」→「中分」→「単語」→「英作文」の順序です。
そしてそれぞれに例えば40分、15分、15分、そして25分という具合に時間配分を決めておきます。
なお、これとは別に、試験開始の一番最初にすべきことは、「英作文のお題」を確認しておくこと、です。
その理由は、最初にお題を見ておくことによって、他の問題を解いている間にも、潜在意識の働きで脳が英作文の回答を準備する可能性があるからです。いわゆるDMN、「デフォルトモードネットワーク」という働きですね。これについては、別の機会にお話ししたいと思います。
簡単に1~4について説明しましょう。
1)「得意な分野を作ること」は、「教育」とか「政治」とか「科学・テクノロジー」など、数ある「トピック」の中で、自分なりに関心や興味のある分野について深めておくこと=語彙(い)や表現を貯めておくことです。
これの効用は、得意分野があると、当たれば楽勝ですし、当たらなくても得意分野に引き付けて論じることで得点が稼げるということです。
2)「論述パターンに慣れること」は、軽視してはいけません。この論述構造は、絶対外せない基本と見なされているので、ここから外れた論述は大きく減点されると覚悟すべきです。
間違っても「起承転結」を使ってはいけません(笑)
「自分の主張(結論)」「理由1」「理由2」「理由3」「結論」
この形式を守ること。ただし、「理由3」は無くても大目に見てもらえるようです(多少の減点は覚悟してください)。
3)「定型表現を5〜8個覚えること」には絶大な効果があると感じました。(2次試験でも同じです)
”I believe that …” とか、”I am not in favor of ~ing” とか、”It is true that …, but~” とか、”The fact is that” や、”In conclusion, for these three reasons,” などの定型表現は、覚えて使えるようにしておくことはとても有効でした。
これらの表現を使うと作文が引き締まる感じが出ますし、リズムも生まれるように思います。また、2次試験のスピーチや口頭試問でも大いに役立ちました。
これらの表現を効率的に習得するうえで役立ったものとして、
- 『英検1級ライティング大特訓』(植田一三著)
- 『速読速聴・英単語 Opinion 1100 』(松本茂監修)
を紹介しておきます。
4)「25分以内に書き上げる練習を何度かしておくこと」は、やっておいて本当によかったと思ったことです。
試験は時間との勝負でもあります。時間内で仕上げることは「技術」であり、「技術」は練習によって習得できるものです。時間を計りながら書き上げる練習を何度かするうちに、表現も時間感覚も同時に身についてきます。
これらを実行した結果、ライティングは高得点を取ることができ、合格の要因になりました。
英検1級の難しさの要因を分解し、対策する
正直に言うと、英検1級の英作文テーマや、2次試験のスピーチテーマについて、「自分の意見を書け(述べよ)」と言われても、そんなこと日頃考えたこともないし。。。と、最初は戸惑いました。
英検1級の困難さの要因の一つは、ここにあると思います。そして英検1級の価値もそこにあるのだろうと思います。
この困難さを乗り越えなければいけません。
この困難さは、「あるトピックに対して意見を持つ」こと、そして次に、「その意見を英語で表現できるようにする」ことに分解できます。
日頃から社会問題などに関心をもち自分なりの意見をもっていれば問題ないですが、そうではない場合、試験対策としては、「意見を借りてくる」こともやむを得ないでしょう。
自分のであっても、他人のであっても、意見や立場を説明できることは価値のあることです。
具体的な対策方法として私がやったことは、
トピックを仮定→「自分の意見」→その根拠・理由2~3個
を準備して、それをエクセルやグーグルシートにまとめる、というものです。
こんな感じです↓
トピック | 立場 | 理由1 | 理由2 | 理由3 | |
1 | societies with low birthrates face a crisis in the future? | will face a number of problems. | an aging population need medical care | the heaviest economic responsibility burden the young workers population | without inovative young minds, country may fall economically |
2 | a lack of women’s rights is a serious problem ? | it is vital for Japan | according to global gender gap report 2021, Japan’s rankings in “economy” and “politics” are particularly low, 117th out of 156 countries in “economics” | 147th out of 156 countries in “politics”, which is lower than China and North Korea. | it is extremely difficult to be a working mother in Japan |
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4 |
たとえば「政治・経済」「社会問題」のテーマについて、知識や背景理解を深めたいと考えた時、手っ取り早いのは、政党のホームページで、その政策を見てみることです。
政党の政策は、ある問題についての「意見、立場」の表明であり、ある程度以上のレベルで系統だっているはず(中には?のものもあるようですが)ですので、参考にするにはもってこいなのです。
原発政策や男女平等問題、長時間労働や高等教育への予算配分などについて、どのような考え方があり、それらをどう表現するのか、とても参考になりました。
また、「食料自給」などのトピックについて、ググってみると、専門家の意見や見解が出てきますので、それらを読むことで問題の背景や全体像をつかむことができました。
私は最初から英語サイトを検索することもありましたが、やはり日本語のサイトのほうが理解しやすく簡単です。
それらを「DeepL」を使って英語に変換し、単語や言い回しなどの表現を集めました。
これは地道な作業になりますが、やっておく価値があります。
また「効率的に」トピックとそれへの態度をまとめたいときには、
『英検1級 最短合格!英作文問題完全制覇』(ジャパンタイムズ&ロゴポート編)
が役に立つでしょう。私も重宝しました。「音声アプリ付き」なのも助かりました。
とにかく書いてみる
英検1次試験の英作文対策としては、とにかく「書いてみる」ことが何より大切です。何度も何度も書いているうちに、「つぶしがきく」表現が自然と身についたり、定型の言い回しが使いこなせるようになったりしていきます。
まさに ”Practice makes progress” ですね。
書きながら弱点を見つけたり、「これは使える!」というフレーズをどんどん集めていくのです。
この方法、練習は、2次試験対策としても有効です。
今回は、英検1次試験の「英作文」対策を中心にお話ししました。
試験対策として、英作文対策は即効性があると言われています。なので、ここを押さえることはとても効果的だと思い、紹介しました。
私の長文対策については、別の機会に譲りたいと思います。
長くなりましたので、今回はこのくらいに。
次回は、英検1級2次試験の「スピーチ・質疑応答」対策についてお話しようと思います。
ではでは。
くろさんでした。
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